25人に1人は反社会性人格障害!?「良心のない人たち」から学ぶサイコパス

本レビュー
オジサン
オジサン

ちょっとー!奥さん聞きました?
アメリカでは25人に1人がサイコパスなんですって

そもそもサイコパスって言葉はたまに耳にするけど、具体的にどんな特徴があって何が問題なの?
そう思っているあなたの知識欲を満たせるかもしれないのがこちらの本。
「良心をもたない人たち」



25年以上心理セラピストとして病院で働く作者が、サイコパスの被害にあった患者の話など、実際の出来事を元に書きあげた本でございます。

「ネットでサイコパス診断ならやった事がある」と語る私が
特に興味深かった箇所を感想を交えつつ紹介させていただきます。

サイコパスとは?

アメリカ精神医学会によるサイコパスの定義なんかは、ネットの色々な所に載っていると思うので全ては書きません。

ただ、その中で1つだけ。サイコパスの特徴で一番分かりやすいと思える表現がありましたのでピックアップします。

「他人を傷つけたり、物を盗んだりした後で良心の呵責を感じない」

タイトルにもあるとおり「良心」を持たない人達。
常に強い刺激を求め、刺激がないと退屈で死んでしまいそうになる彼らは一体何者なのでしょうか。

「世界一、感じのいい人」魅力的なサイコパス

この本では上記での述べた通り、著者の患者から聞き取った話だったり、サイコパスが関わった事例をいくつか紹介しております。
その中でも特に私がゾッとしたのが、心理セラピストとして働くドリーン譲の話。

ドリーンは自分より評価されている同僚のジャッキーを陥れるために、彼女の患者であるデニスの心の病気を悪化させようとします。

恐ろしいのはドリーンはデニスに何かされたわけでも、恨みがあるわけでもないのです。
ただジャッキーの評判を引きずり下ろしたいが為に、無関係であり弱い立場のデニスを利用しようとします。
人の人生を壊す事に対して罪悪感の欠片もないどころか、ゲームのように楽しむサイコパス・ドリーン。マジ無理。

たまたま今回はドリーンが心理セラピストの資格すらもっていなかった事が明るみとなって、職場を首となるのですが…。

ジャッキーの周囲の人びとは彼女の異常性に全く気づいておりませんでした。
それどころか「世界で一番感じのいい人」とさえ思っていたんです。

サイコパスになる原因は?愛着障害について

本書ではサイコパスになる原因にも触れています。
遺伝的なもの?幼児期の虐待?それとも…

何一つ医学的な知識がない私にはちょーっと難しい事が書いてありましたが、一卵性双生児と二卵性双生児の研究結果など、読んでいてとても面白かったです。

特に興味深かったのが「愛着障害」というワード。
赤ちゃんを生後7か月までに抱きしめたり、話しかけたりといった愛着行動を一切しない場合、酷いと死至るという事実があるんだそうです。

実際に19世紀から20世紀初めまでのアメリカの孤児院で、衛生面に配慮し赤ちゃんに全く触れずに育てた所「非器質性生育不全」という状態に陥り、次々と死んでしまったというのです。

愛着障害のもう一つの悲惨な例として、1990年代ルーマニアのサイコパス的独裁者であったニコラエ政権下の悲劇がありました。中絶や避妊を禁止した為に10万にも及ぶ孤児が孤児院に収容される事態となったのですが…。

子供40に対し職員は1人。国全体が貧困状態で食事以外は放置されていた子供たち。
孤児らを助けるべく裕福な外国人たちが養子として引き取る活動を始めました。しかし養子にした3才の子供は窓から子猫を投げ捨て、別の家の5才の養子は他の子供に本気で襲いかかる、といった事態が次々と起きてしまい、外国での養子縁組は国で禁じる事態となったのでした。

最後に

サイコパスは幸せになれるのでしょうか?

良心などなければ、仕事でも成功しやすくなるでしょう。
人間関係で自己嫌悪に陥る事もないし、自分を最優先に考えられるなんてうらやましくも感じます。

落ちてた小銭すらネコババ出来ない小心者の私からすれば、サイコパス的な精神に少しだけ憧れるところもあります。

けれど動物を可愛くて愛おしいと思う気持ちや、映画や小説を読んで涙を流す事もない人生を想像したら…う~ん、人生がつまらなくなってしまいそうです。

やっぱりサイコパスにならなくていいや、という考えに落ち着くのでした。

オジサン
オジサン

私も良心さえなければ大成功してた。
間違いない。

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