「メキシコ系ギャングにはルールが多い」
1つめの舞台はアメリカのロサンゼルス・サウスセントラル地区。
1週間に1度は殺人事件が起きているようだ。
そういえば私もLAに旅行した時、滞在先の近くのモールに行こうとしたら何故か閉まっていて
理由を聞くと駐車場で通り魔に人が刺される事件が起こっていたという、非日常を味わったのさ。
それはさておき、今回の案内役は元ギャングのメキシコ人男性。
出会って早々に、体に出来た銃弾による傷跡を見せてくれるナイスガイ。
黒人との抗争で仲間が沢山死んだから辞めたって案内役の彼は言ってたけど、一度そういった組織に入ってしまうと抜けられないものなのかと思っていたよ。勉強になるなぁ。
グルメリポート1 ギャングのワイルドおやつ
ギャングのアジトへ案内される番組クルー。
黒人ギャングのエリアとメキシコ系ギャングのエリアはわずか3㎞しか離れていない。
突然銃で撃たれたり、庭に爆弾を投げられることもあるそう。
そんな話をしているとギャングがおやつを差し出してくれる。
サボテンの一種にライムとトウガラシの粉をたーっぷりかけたもの。
どんな味なのだろうか?そもそもサボテンを食べた事がないし、ちょっと想像できない。
「ビールに唐辛子は当たり前だろ」
そう言って唐辛子まみれのビールのおまけまで渡してくれる気のいいギャングたち。
ほとんどの視聴者はビールに唐辛子!?うぇっ!と感じたのではないか。私もそう思った。
ここでふとマサチューセッツ工科大学で行われたビールにバルサミコ酢を入れる実験を思い出してしまった。先入観に関する実験なのだが、またそれは別の機会に。
なにはともあれ味覚の違い、食文化の違い、大変興味深いなぁ。
グルメリポート2 ギャングの帰れぬ故郷飯
夜、番組クルーは近所のメキシコ料理店へ連れて行ってもらう。
メニューはナチョス。
トルティーヤチップスの上に粗目の牛ひき肉と2種類のチーズをたっぷり乗せる。
その上にアボカドソース・サワークリーム・チリソースをかければ完成。
チーズがとろけてうんまそおおお。
お店に案内してくれたギャングの男性は、メキシコに行った事はなく生まれた時からアメリカに住んでるそう。
「行った事はなくても故郷の味」
ちょっぴり切なくなってしまった。
グルメリポート3 ギャングが作るギャングバーガー
そうして番組クルーが次に向かった先は、メキシコ系ギャングの抗争相手である黒人ギャングのもとだった。
狂っとる。
全米で最も危険な場所と言われているエリアに現れた、案内役の下っ端の黒人の名前はキルビル。
ビルを殺したらからその名になったという。
ほとんどの黒人が警察にマークされているため、偽名を使っているそうだ。
そうして3日前に出所したばかりの子分、GD(身長195cm)に連れられていったのは
オーガニック素材にこだわった黒人エリア唯一のハンバーガー屋さん。
肉にもこだわっているという、映えそうなハンバーガーセットであった。
次の日いよいよボスに会える手筈が整う。
ちなみに昨日会ったキルビルは番組スタッフが去った直後、警察に逮捕されていた。
その時の映像もきっちりと残っているという。
何故かというと逮捕時に射殺される事がある為、証拠として録画しておくそうだ。
今、アメリカで話題になっているブラックマターというやつを垣間見てしまったね。
グルメリポート4 ギャング安らぐお袋の味
皆のおばあちゃん替わりの女性が振る舞う手料理は、ピラフにパスタが混ぜてある日本でいうそば飯にフライドチキン、そしてブロッコリー。愛情たっぷり。
「ギャングになって良い事なんて何もない。」
「もしどこか遠くで全く違う人生が送れるのなら、今すぐ行きたいよ」
食事どきにぽろりとこぼれる黒人ギャングの本音。
メキシコ系ギャングも似たような事を言っていた。
いつまでも終わりの見えない復讐合戦に疲弊しているのが痛い程伝わってくる。
本当はそこから抜け出したいのに、大きな流れを止める事も出来ないのは見ていて辛いなぁ。
グルメリポート5 別居妻の届かぬ手料理
先ほどの男性ギャングが離婚した妻と子供を訪ねるのに着いていく番組クルー。
子供たちは父親が大好きだが、奥さんにはガン無視される男性。
男性が逮捕されて刑務所に入った後、3人の子供を働きながら立派に育てたのは元奥さんだから男性も何も言えまいな…。
「みんな近所に住んでるのに、赤着てるだとか紫着てるとかで喧嘩して意味不明だよ」
子供の正論に思わずうなずきそうになる。
(ちなみに赤はメキシコ系ギャングのカラー。紫は黒人系。日本で流行したカラーギャングのネタ元は彼らとのこと)
さて、元奥さんの料理はワンプレートに盛られたオシャレなミートボール&ピラフ。
紫の豆に黄色いじゃがいもにミートボール、色鮮やかで食欲をそそる。
最後に
今回ハイパーハードボイルドグルメリポートは全く未知の領域であるギャングの世界について垣間見る事が出来た。
若い団員たちの本音も少しだけ垣間見えたような気になれた。
テレビのハイパーハードボイルドグルメリポートが好きな人は未公開エピソードも公開されている、書籍もおすすめ!